旅を人生にたとえるならば。
「旅を人生にたとえるならば」
そんな小説のタイトルみたいなことを考えてみた。
旅と人生の違いはなんだろうと考えてみるけれど、歯切れのよい言葉で違いを説明できない。
思い当たる違いと言えば、旅は人生と違って自分で「はじまり」と「おわり」を決められること。
果たしてそれが本当に、自分で「はじまり」と「おわり」を決められているかはわからないけれど。
晴れの日や雨の日があるように、人生や旅にもたくさんのできごとが繰り返し積み重なっていく。
旅だって、人生だって、ほとんどは意味のないできごとの繰り返しだと思う。
でも、そんな意味のないできごとが繰り返され積み重なると道ができる。
そして過程を振り返って、自分で意味をつける。
意味づけする時の感情で、過去の積み重ねてきたことはどんな色にも染めることができる。
だとしたら。
たいした意味なんてない毎日を、どのようにして心を躍らせて過ごすか。
これは言い換えると、「自分のやりたいことに正面から向き合えているか」ということになる。
旅や人生で大切なのことは、そんなことなんじゃないかと思う。
言い古されて新鮮味のない言葉だけれど、旅は自分で期間を決められる人生の縮図だと思う。
夢だった世界一周をしてみたことろで、次にやりたいことが抜け目なく現れる。
だからこそ、僕たちは夢や目標を大切に引き出しにしまっている場合ではないと思う。
やりたいと思ったことをやる。
うまくいく?成功する?流行らせる?
なんでもいいけど、お陰さまでそちらにはあまり興味がない。
世の中のモノサシと、自分のモノサシのどちらで図るか。
自分のモノサシで図った行動の積み重ねによって、自分らしさが生まれる。
一歩間違えると、わがままなのかもしれない。
でも、今までの人生で「これでもか!」というほどに気を遣ってきたのだから、もう少しだけわがままになっても「許してもらえる」はずだ。
どこのだれに許してもらえるかはわからないけど。
僕らは決められたルートの旅には満足しなかったのと同じように、予想通りの人生には満足しないだろう。
どこに住むのか、なにをして、誰と住むのかさえも。
いくつになっても自分の基準を持ち、「あいつは仕方ないな……」って言われる人生を送りたい。
僕にとってそれは褒め言葉。
道に迷ったら一番心が踊った旅を思い出してみればいい。
あの時と同じ気持ちで決断すれば、きっと良い結果が待っているはずだ。
あなたの心が踊った旅はどんな旅でしたか?
旅した時間は、人生の縮図だ。