「具体と抽象」を読んで人生を楽しむためのヒントに気づいた話。
人生を楽しむためには「抽象化する能力」は必須だ。
この本をにはそう思わせる理由がわかりやすく書かれています。
そもそもコルク佐渡島さん(@corkagency)のツイートを見て知って、深く考えずにポチった本でしたが買って大正解。
この本、推薦してる人が多いから、読んでみたけど、すごく面白い。具体的に話してるつもりだけど、抽象的と言われる理由がよく理解できた。 / 細谷 功 | 心理学 | Kindleストア | Amazon (https://t.co/vw20r1AL8f) #NewsPicks https://t.co/Lf4eARNAgX
— 佐渡島 庸平(コルク代表) (@sadycork) 2018年8月18日
狭い視点でしか物事を捉えられない人と、広い視点で物事を捉える人の違いが具体的に解説されていて、思わず何度もうなずいてしまいました。
他の人に丁寧に説明しているのになぜか伝わらない。自分が言っていることが「なぜ伝わらないんだろう…」と感じたことがある人にとっては気づきが大きい内容だと思います。
抽象化とは
本書の中では漫画を使って様々な例を紹介しているのですが、「具体」と「抽象」の違いを説明するとこのような内容になります。
具体 抽象 直接目に見える 直接目に見えない 「実体」と直結 「実体」とは一見乖離 一つ一つ個別対応 分類してまとめて対応 解釈の自由度が低い 解釈の自由度が高い 応用が効かない 応用が効く 「実務家」の世界 「学者」の世界
本書から引用
時代を超えて読み続けられる本と、すぐに廃れる本の違いは「抽象度の高さ」だと思います。最近「孫氏の兵法」に関する本を読み漁っていますが、原書は抽象度が高い内容です。むしろ抽象的すぎてわかりにくいのですが、応用できれば様々な場面で活用できる方法が盛りだくさん。2000年以上残ることをするのは至難の業ですが、せめて生きている間は残ることをしたいと思うのが人間の性ですよね。
加速的に技術が進化している現代だからこそ、目の前のできごと(具体)に踊らされず、それらを「抽象化」して「本質」に近い思考が求められているのだと思います。
例えば働き方について考えてみると、「自分が知っている働き方(具体)から選ぶのではなく、どうしたら幸せかを明確にして(抽象化)、自分の幸せに近づくための働き方(本質)を作る」ということなのだと思います。
抽象化できるといいこと
1.予想能力が上がる
抽象化する能力が高くなれば、過去のできごとから将来のことを予想できるようになります。
なぜかというと、過去の出来事から特徴的な部分を抽出して、今起こっていることと比較することができるから。
基本的に世の中で起こることは再現性があると思っていますが、再現できない大きな理由は自身に実現させたい願望が足りないことだと思います。※例えば今の時代に「TOYOTA」や「SONY」を作るとかは時代の再現性の観点から難しいと思いますが。
2.不毛な議論に時間を使わなくなる
「AかBか」といった議論は様々な場面で起こりますが、多くの場合こうして議論には前提条件やゴールの設定がなされていないケースが多々あります。実際はAとBのどちらを選ぶかに価値はなく「最終的にどうなりたいか」が肝心なはず。
例えば「持ち家派」と「賃貸派」のどちらが正しいかという議論には意味がなく、「自分がどんなライフスタイルを望んでいるか」が肝心なのです。こうした視点をもつと、不毛な議論に足を突っ込んで時間をつかうことがなくなりますよ。
3.他の人が思い浮かばないアイデアを生む
アイデア界隈で大変有名?なジェームス・W・ヤングの『アイデアの作り方』でも書かれている通りです。
「アイデアとは既存の要素の組み合わせだけ」
「既存の要素を新しい組み合わせに導く才能は、物事の関連性を見つけ出す才能に依存するところが大きい」
つまりすでにあるものを抽象化して、組み合わせることがアイデアを生み出すために必要な能力だということ。
4.本質思考ができる
目の前で起きている具体的なことに踊らされずに、常になぜ?を追いかけていれば、必然的に本質思考になります。抽象化が極限まで行くとブッダやキリストのような聖人になれるはず。(あまりなりたくないですが…)
言われたことそのまま実行する人はをはたくさんいますが、本質思考ができて、かつ、具体的な行動に移せる人は少ないのではないでしょうか。
まとめ
ゴリゴリ抽象化を押していますが、大切なことは「抽象化すること」ではなく「どうなりたいか」を明確にして、その手段として「具体化」した行動をすること。
目の前のできごとに踊らされずに、「抽象的に考え、具体化して行動する」そんな生き方をしていきたいと思うのでした。