4000m級アカテナンゴ火山最終日、ついに頂上へ!!?
だんだんと周りが明るくなってきて、ライトも当てる必要は無くなってきた。
歩き続けると、さっきまでの急斜面はいつしか緩やかになってきて、頭痛も治まりだした。
ここまで来たら、絶対に3人で登頂する。
そう心に誓って、ひたすらゆっくりと歩き続ける。
もうとっくに先頭を行く外人さんたちは姿も見えない。
きっとそれでもいい。
誰にも合わせなくていい。
自分のペースで行けばいい。
だんだんと空は赤色に染まりだした。
相変わらずの天気で、雲は太陽を隠しては、覗かせてを繰り返す。
私のせいで、もう山頂で日の出を見る時間は間に合わない。
それでもこの2人は私に文句をいう訳でもなく、
この登山中、一度も弱音を吐いてないように思う。
私だけじゃない。
間違いなくこの2人だって、辛いはずなのに。
だから、私もなるべく”しんどい”と口に出さないようにしていた。
3人とも一度も弱音を吐かずに、歩みを揃えて歩き続けた。
ふと、後ろを振り返ると、もう日が出てしまった・・・
やっぱり、山頂で日の出を見ることはできなかった。
たぶん、2人だけだったら、間に合っていたと思う。
本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
それでも、この山道から見る朝日は、どこから見る朝日よりも間違いなく絶景だった。
太陽の前を雲が行ったり来たりする。
たまに顔を覗かせるその朝日は、今まで見た朝日の中で一番赤く、そして近くに感じた。
3人で立ち止まりながら、その様子を眺める。
あ〜〜よかった。
登山に挑戦してみてよかった。
まだ、頂上までの道のりはあるけれど、朝日を眺めながら、そんなことを思っていた。
いつの間にか、頭痛も無くなっていたし、無心だった心も動きだしてきた。
さあ、あと少しだ!!
頑張ろう!!!
そう自分に言い聞かせる。
ここまで来たから、もう最後まで登って帰ろう。
もうこの時すでに、富士山の高さは超えている。
ほら、すごいよ。
これ、登れたら富士山超えだよ!!
見上げると頂上はもうすぐそこ。
最後の山場はまた砂利道。
足を引きずられながら、それでも、一歩ずつ着実に前へ踏み出す。
そして、同じグループの外人さんよりだいぶ遅れをとったけど、
ようやく到着!!
言われていた通り、周りは真っ白で、景色なんてな〜〜んにも見えない。
おまけに寒すぎて、写真を撮った直後カメラも硬直、iPhoneもフリーズ、洋服はびしょびしょ、顔は凍り付くほど。
登山は、苦しい思いをして登った先にある景色がたまらなくて、登る人も多いけど、
私たちは、景色はあんまり見れなかった。
それでも、本当にこの山に3人で登れて良かったと思う。
しんどくても諦めずに、前を向けて本当によかった。
あまりの寒さに頂上には、3分くらいしかいなかったけど。
明るくなってから、下る同じ道は、思っていた以上に急で、よくこんな道登って来れたなと感心してしまうほどだった。
砂利道が多いから、帰りは、道を転げ落ちるようにコロコロと転がりながら下って行ったら、あっという間に朝のベースキャンプに着いた。
そこから見る景色は、また絶景だった。
気持ち良すぎるくらいの真っ青な青い空が待っていた。
さっきまでの寒さも無くなってきて、ようやく安心できるようになった。
本当は登りきれるか、自分の体力が持つのか、すごく心配だった。
2人の足を引きずって、迷惑をかけてしまうんじゃないかって、途中から思っていたから。
たぶん、私がダウンしてしまったら、けーき氏も一緒になって登頂を諦めてしまうかもしれない。
この登山をずーーーーっと楽しみにしていたのを知っていただけあって、どうしてもそれだけは避けたかった。
私が登れないのはいいとして、
けーき氏が登れなかったのだけは、避けたかった。
そのためには、私が頑張らないといけなかった。
もし、1人だったら、今日の朝もう諦めていたと思う。
それでも、頑張ろう!大丈夫!と思えたのは、
ずっと私のことを気にかけてくれたけーき氏と愉快なともちんがいたから。
私はこの2人と一緒に来れて本当によかったと思う。
2人がいたから、心が折れそうな時も、前を向けたのだと思う。
2人にとっても、4000m級の登山は初めてだった。
自分の限界を超えたい!
そう言っていた2人の夢も叶った。
下りもやっぱり、みんなのペースには追いつかなかった。
ゆっくり自分のペースで進んでいると、登っている時には気づかなかった花や木にもたくさん出会えた。
私が1人で旅をしていたら、確実に登山はしていなかった。
山に登ろう!なんて考えたこともなかった。
2人で旅していると、こういう想像もしていなかったモノに出会う機会がある。
自分一人だったら出会わないような景色や人に出会える。
それが、2人旅のいいところなんだと思う。
だから、これからも相手の好きな世界に時折顔を突っ込んで、
新たな世界を覗いてみようと思う。
それから、登山はやっぱり、苦しかった。
でも、それ以上の何かがあった。
その何かはまだわからない。
でも、経験できてよかった。
この気持ち良さを。
リアルタイムではもうすぐ2回目の登山が始まる。
ベネズエラで5泊6日のロライマ山へのトレッキングへ行ってきます!
では。
たのしむぞ。
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