さようなら、ロライマよ。【ロライマ5日目】
よし。
今日は楽勝。
だって、ひたすら下るだけだもん。
なんて、とんでもなかった。
怖い・・・
晴天なのは、ありがたいけど、、
下が見えすぎて怖い。
そういえば、あの嵐の日は景色なんて何も見えなかったもん。
こんな崖っぷちよく登ったな・・・
おいおい、冗談だろ・・・
そんな岩場を慎重に降りる。
体力ではなくて、予想以上に、筋力を使う。
足のつま先にどっしりと重くなった体重がかかる。
ほら、さとしーたなんて、こんなおじいちゃんみたいに足がガクガク・・・
今日は、2日目と3日目に歩いて来た道を1日で駆け下りる。
いくら下りだと言っても、なかなかハードだ。
おまけに、天気が良すぎて、とにかく暑い。
休憩をしないと、日陰のないここは、体力もどんどん奪われていく。
さっきまで、あの上にいたなんて思えないほど、どんどんロライマとの距離が離れていく。
あんなに近づくのに苦労したのに、離れる時はあっという間。
気がついたら、ロライマがこんなにちっぽけになっていた。
改めて、振り返るとその壮大さに言葉を失うほど、美しい。
山を美しいなんて、思ったことそういえばなかったな〜
初日のキャンプ地に戻って、最後の夜。
長いと思っていた6日間なんて、一瞬だった。
ひたすら、インフラが何もない環境にいたけど、
この不便さが、心地よく感じるくらい、もうこの環境に慣れてしまった。
テントで寝た生活も、川で洗濯もシャワーも、飲料水も全て済ませたサバイバルな生活も、
日本にいる今はもう恋しくてたまらない。
何なら、公園にテント張って寝たいくらいだけど、そんなことすらできないルールでがんじがらめになった場所、それが東京な気もしてる。
あれはダメ、これはダメ。
これは、こうするべき。
みたいな暗黙のルールや周りの目なんかが、時折苦しく思えるのは、こんな自分中心で、自由気ままな生活を経験してしまったからなんだと思う。
それにしても、異様に足の爪が痛い。
人差し指の爪が、両足とも歩くだけで痛い。
よく見てみると、爪はダークな紫色に変化を遂げていた。
あら、いつのまに。
触るだけで、痛い。
というか、半分宙に浮いている。
あれまあ。
それに、足のいろんな筋肉が痛い。
これは、明らかに筋肉痛ってやつだ。
え、ってことは・・・
明日どうなるの?
明日もまだまだ歩くのに、、
この爪は一体どうなるんだい・・・
*2016年2月のおはなしです。
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